平成の名水百選「つづら淵」へ行ってみた【アルパカ喫茶店の隣】

新居浜市の名所や観光スポット情報などを探していたら、
見つけたのでご紹介、愛媛県で唯一選定された「平成の水百選」の「つづら淵」。

名所たる所以も気になったので調べつつ、本記事で紹介します。

 

場所は昭和通りの近く。ポケスポットになっています

”新居浜市若水町2-5”

新居浜若水郵便局のすぐ近く、アルパカ喫茶店のお隣にある細い路地が入り口です。

つづら淵入り口

石柱に「史跡葛淵」と刻まれています。

 

つづら淵

周囲は駐車場もないので、市営バスorどこかの有料駐車場に停める必要があります。

 

 

つづら淵

先ほどの路地を抜けると泉に到着。周りは静かな住宅街なので、なんとなく凛とした雰囲気。
水辺にはマイナスイオンが出ているといいますが、湧き出る水の音がどこか涼しげな印象。

 

飲めるの?

つづら淵

文字派の方のために記すと、以下注意書きが。

つづら淵の水は、地下水を汲み上げております。飲用に関しましては、自己判断で行ってください。
また、この水は、塩素消毒を行っておりませんので、汲み置きして引用する場合は、生水での利用は避けてください。by新居浜市教育委員会

なるほどね。というかなぜに教育委員会の看板なんだらう?とか思いつつ。

 

つづら淵

泉の近くには平成27(2015)年に若水自治会の方で実施された水質試験成績表がありました。
試験成績の中を見て大体まとめるとこんな感じ。

  • 色度、濁度、臭気、味、pH値、塩化物イオン、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、有機物、大腸菌、一般細菌は全て水道法の基準値と比べて許容範囲内に収まっている
  • カルシウム、マグネシウム、鉄及びその化合物、蒸発残留物、マンガン及びその化合物、フッ素及びその化合物は検査してないよ!

とのこと

ちなみにpH値は「6.6」なので中性になります。
飲用水は色々あり好みも様々ですが、酸性が高いと酸っぱいし、アルカリ性が高いと苦くてぬるぬるするといわれているので、中性のこの水はきっとおいしいんだろうなあ。

今度、この水を使って豆はコナコーヒーで美味いコーヒーをこっそり作ってみようと思います。ふふふー。

 

他に所以が記された石板もありましたお。
文字起こししてみますが所々読みにくい文字は勝手に文字を当てています。

2016-09-08-12-52-38

史跡葛淵

昔このあたり一帯は沼地であって、みずみずしい葭(あし)が茂り、
その一部にひときわ淙く清水をたたえて池状を呈し、岸のほとりに一歩の青柳のゆらくところ、そこが「葛淵」であるこんこんと冷水の湧き出るこの泉、ここには右来幾多のもの物語が伝えられ、神聖な霊泉として毎年正月七日の早暁、身を清めた宮司がこの霊泉のほとりに祭場を設けて、祝詞を泰し霊泉の水を汲み、この水を神に供し、この水を用いて神餅を調理するのであった。このことから後世この町の名を若水町と呼ぶようになったものである。又この泉は雨乞いの霊地とされ、ひでりの際は笹ヶ峰に登り、日月の池の神水を汲んで持ち帰り、この水を葛淵の神龍に捧げて祈念すれば直ちに雨を賜わると云われて、いよいよ農民の信仰を集めていたのであった。また歴史の上では、この「葛」は新居の「津倉」のなまったものと考えられている。奈良朝から平安、鎌倉時代にかけてわが新居の庄は、東大寺、法隆寺などの寺社或いは佐々木盛綱などの武家の荘園であったが、これら荘園所領者は、収納米を保管するために船積みに便利なこの「葛淵」のあたりに倉庫を設けて「津倉」と呼んでいたものと推定される。又正平二十二年予章記にもみえる「新居津倉淵」といふのは、当時現在の「葛淵」のあたりに設けられてあった倉庫で、その津倉淵が次第に訛って「つづら淵」と呼ばれるようになったものである。

 

以下、図書館にあったつづら淵にまつわる本の文章を、読みやすいように私が手を加えた内容になります。

つづら淵の話

昔、昔、大昔のことです。
石鎚山の山の神さん達が、ある日のこと、近くの笹ヶ峰に集まりました。
山の上は晴れて、はるか下の方には瀬戸内海の美しい景色が手に取るように見えます。
小さい島があり、日の光をうけて静かな海はキラキラと光っております。
絵のような美しい眺めです。

集まった神々はいろいろな話し合いをしました。

ある山神さんがこんなことを申しました。
「ほんとによいながめで申し分ないが、ここには水というものが少ない。
これでは山登りの者たちは困るに違いない。」

これを聞いて他の神さん方も
「ほんとにそうだ。それでは湖を造ってやろうではないか。」

話は早速まとまり、池をつくりました。

そしてこれを「日月の池」と名付けることにしました。

「ああ、やっとできあがった。これで山に登るものも大助かりだらう。
水の心配もなくなったわい。私たちも池づくりで喉もカラカラだ、どれ水を一杯。」
と手ですくって飲んでみました。

「これはおいしい。ああ氷のように冷たい。その上こんなにも甘い。こんなおいしい水はどこへ行っても飲むことは出来ないだろう。そうだ下界の者にも少し飲ませてやりたいなあ。」
とある神様が申しました。

すると石鎚の神さんが、そばにあった小石を拾って口の中で
「天地の神様よ、この小石の落ちたところに、この日月の池と同じ水が出ますように。」
と念じて、力いっぱい飛ばしました。

その小石は遠く鳥のように飛んで、新居浜の方にとび、若水のつづら淵のところにポトリと落ちました。

するとそこから冷たい甘い水がコンコンと湧き出しました。
日月の池と同じ水です。

里人たちは、ここをつづら淵といって神様の泉として大切にしました。
この水は年中一度も枯れたことがありません。

一宮の氏神さんはこれを御水神とたたえ、正月の七日になるとこのお水で御米を炊いて神様にお供えする習慣になっております。

それでこのつづら淵のあたりを若水と呼ぶようになったのです。

まとめ

地名にはそれぞれ由来があるように、ここ葛淵がそう呼ばれる所以が出てきておもしろい!
新居浜の地名にもそれぞれ由来がありそうなんで、観光スポットだけでなく歴史や伝記的な情報も紹介できたらもっと新居浜のことが楽しくなるかなあと思った今日この頃ですた(´´∞``)

 

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ABOUTこの記事をかいた人

奈良県平群町出身。愛媛県新居浜市でフリーランスで働くゲームクリエイター&WEBディレクター&ライター。新居浜市を中心に、四国の情報を発信する日々を過ごす。